花巻南温泉峡大沢温泉滞在記|築200年の湯治屋建物・部屋編

大沢温泉湯治屋本館入口 温泉

岩手県花巻南温泉峡の「大沢温泉」の湯治屋での滞在記で建物・部屋編です。古くて歩くとギシギシいうような建物ですが、一生懸命掃除されていて不快感はありません。田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たという感想がぴったりのノスタルジーを感じたい方に特におすすめです。

大沢温泉でよく紹介されるのがトップ画像にある入口のある本館でしょう。この建物が一番古くて築200年江戸末期の建物と言われていますが、実際にいつ立てられたかは記録がないようです。

館内

まずはこちらの館内図をご覧ください。これだけ見てもわかる通り迷宮のよう。

大沢温泉湯治屋館内図

建屋はほかに新館、中館、上館、若葉荘とあります。新館といっても大正時代の写真に写っているのでそのころの「新」館ということでしょうね。
古い木造建築なので歩くとギシギシいいますので「夜はなるべく静かにお願いします」という掲示があります。

大沢温泉湯治屋若葉荘

こちらは一番新しいモルタル作りの若葉荘。一階には「薬師の湯」がありその上は客室。聞いたことはないですが昭和中期くらいの建築ではないでしょうか?

大沢温泉湯治屋食堂前の狭い廊下

食堂前の廊下などは狭くて、譲り合いの精神が発揮されます。バリアフリーという言葉がない時代の建物なので、残念ながら段差はたくさんあります。そして階段は急なので要注意です。自身も一時期めまいが酷かったので食堂と同じフロアを希望して泊めてもらっていました。

大沢温泉湯治屋館内案内

お風呂や食堂などへの案内は10年ほど前に統一したおしゃれなデザインになりました。何しろダンジョンですから、この案内を確認しながら皆さん移動しています。

大沢温泉湯治屋昔ながらの帳場

こちらが帳場。フロントではありません。チェックインや会計の時だけでなく、ポットのお湯や浴衣とシーツなど何かとお世話になります。

待合室

帳場横には休憩室があります。主に日帰り入浴のお客さんが待ち合わせで使うことが多いか。なにしろお風呂がたくさんあるので、長く待っている人を見かけます。冷暖房完備なので夏の暑い日はこちらで涼みますし、冬はストーブがたかれていて暖かいので頼りになる場所です。

大沢温泉湯治屋何でもそろう売店

そしてこちらもとても頼りになる売店。湯治屋生活に必要な物はかなりそろいます。納豆や豆腐なども販売。果物とかがあるといいのですが、そこまで要求するのは酷かな。

大沢温泉湯治屋コインランドリー

コインランドリーももちろん完備。湯治で長逗留する人も多いので稼働率が高く、余裕を持って洗うようにしましょう。洗剤は自分で用意する形になりますが、売店で一個単位でばら売りしているのでご安心を。柔軟剤はさすがにないかな。

大沢温泉湯治屋中庭の紅葉

紅葉の季節の一枚。中間12号室の前の廊下から中庭にむけて撮りました。右側は「新館」左に「若葉荘」奥の方に「本館」さらに奥に山水閣がみえます。東京に単身赴任したおかげでこの季節にも来ることができました。

大沢温泉湯治屋冬の雪景色

最後に館内からみた雪景色。寒いのは仕方ないですが、こんな景色を見ながらの露天風呂はやはり最高です。このほか花の季節や新緑の季節ももちろんよくて四季を堪能できる宿です。常連さんがたくさんいるのも必定か。

部屋

基本は六畳間か八畳間です。以前は一人向けの三畳くらいの部屋もあったのですが、いまは客は入れていないようです。
外鍵は基本かからないので、貴重品は帳場に預けましょう。若葉荘のみ外鍵がかかります。指定すると千円加算されますが、初心者や女性などには安心なので最初はこちらに泊まることをお勧めします。

大沢温泉湯治屋部屋

こちらが一般的な六畳間。寒い季節にはこたつは必需品。「おばあちゃんの家に帰ってきた感じ」というクチコミがよくあるのですが、この画像を見ればそう思う方も多いはず。
壁は薄いです。隣の部屋の音は結構聞こえてしまいます。また、部屋を間違えて開けられたなんてこともありました。そうした不便さも古い湯治宿の味わいとして感じられる人に向いている宿です。
アメニティはお茶セットのみのほぼ皆無。八畳間の一部の部屋には金庫が備え付けられています。

大沢温泉湯治屋部屋テレビ

テレビは地上波だけですがちゃんとあります。結構早い段階で液晶に変わりました。電力事情が厳しいようなので早めに交換したのでしょうか。

大沢温泉湯治屋部屋冷蔵庫

あとは冷蔵庫。一応冷凍コーナーはあるのですが、冷凍食品やアイスを保管する勇気がありません。使えることを確認すれば自炊のバリエーションが広げられると思います。

正直申し上げて真冬は寒いです。部屋によってはストーブをつけても15℃くらいまでしか上がらず寒がりの身には辛い思いをした覚えがあります。
逆に真夏はというと当然のようにエアコンはありません。岩手の山の中ということで、以前はそこまで暑くはならなかったのですが、昨今は35℃近くまで上がることがあります。昨年連泊したときは宿の人に「無理しないでエアコンのある休憩場にいてください」と気を遣われたりしました。

喫煙可ということで、時々廊下まで匂ってくることがあります。火災予防の観点からもできれば全館禁煙にしてくれることを希望します。

そのほか

料金は積み上げ式で、布団や枕まで単価が決まっています。最近はネット予約でセットの料金でしか使っていませんが、電話や直接帳場で予約するとこの積み上げ計算方法は現役のはず。

大沢温泉湯治屋領収書

数年前に二泊した際のこの領収書みてください。そもそも一泊4000円とちょっとなのに、会社の福利厚生の補助金が割り引かれて二泊で2300円で驚愕の安さ。それであの開放感のある露天風呂に入りたい放題なわけですから、リピートする気持ちもわかってもらえるのではないかと思います。
この手書きの領収書も味があったのですが、今年に入ってから印刷になりました。ちょっと寂しいですが過去宿泊分の手書き領収書をたくさん手物に残していますし、従業員の皆さんが楽になるならよかったです。

館内には至る所にレトロな物がたくさん。

大沢温泉湯治屋レトロな掲示

自炊場近くの柱にある掲示。「致しませう」ってこれはいつか書かれたのか?戦前でしょうか?

花巻電鉄

花巻電鉄の廃止の際の写真。あの道を路面電車が走っていたなんてちょっと信じられません。狭いところを通すためか異様に細い車体で、「馬面電車」と呼ばれていました。風が吹いて倒れるようなことはなかったと思いますが、向かいに二人座ると膝の間を通るのに難儀していたらしい。残っていたら大沢温泉にも通いやすかったのにと思うのですが、超鈍足でバスで30分のところを小一時間くらいかかっていたよう。

大沢温泉の紹介湯治屋建物・部屋編のまとめ

  • 建物は古くて歩くとギシギシいいますがきれいに掃除されていて問題なし
  • 館内にはレトロ感を感じされる掲示や写真がたくさん
  • 冷暖房の設備は少なく厳寒期や酷暑の際には注意が必要

古い木造建築ならではの不便さに戸惑うことは多いかもしれません。しかしまるでタイムスリップしたかのような心地よい静けさとノスタルジーに包まれます。初めての滞在では鍵のかかる「若葉荘」をお勧めします。
一生懸命に手入れされた歴史ある建物と部屋で日常を忘れる湯治をぜひお楽しみいただければと思います。

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